【実話】ありがとう…。
7時20分、携帯が鳴り出す。
~♪~♪~♪~
着信:たかさん
「もしもし」
「わりぃ、遅くなって。コンビニに居るから出て来れるか?」
「うん、わかった」
携帯を切り、コンビニへ急ぐ。
車に乗り込み、車は静かに動き出す。
「……」
緊張しているせいか、言葉が出て来ない―。
たかさんも何も話さず、車を運転している。
暫く走ると…あの海へ来ていた。
「大事な話って?」
「………」
話さなきゃって思ってるのに、胸が苦しくて…息も満足に出来ない。
今にも大粒の涙が頬を伝い落ちそうだ。
必死に堪え、口を開く。
「もう限界だから…何も出来ないし……だから会わない」
「金がないなら、薬はいいから。これからは、お前に頼らないようにする!な?」
「…そうじゃない。もう限界なの…。辛いの…」
我慢していた涙は、滝のように流れだし、次から次へと頬を伝い、洋服の染みをどんどん大きくしていく。
「精神的にも…グスッ…辛い……。グスッ…グスッ…たかさんの事…嫌いに…なりたく…グスッ…ない…。だから…会わない!」