【実話】ありがとう…。
「もしもし」



「お母さん、望です。電話に出れなくてごめんなさい。仕事中だったもので…。たかさんに何かあったんですか?」



「ううん、たかは大丈夫」



「良かった」



「ごめんね、仕事中に…。明日、たかの病院に行こうと思うんだけど、一緒にどうかな?と思って」



「何時ですか?今日は、夜勤なんで、明日の朝の9時までなんですよ。その後、銀行行ったりと用事があるので…」



「明日、明けなのよね?だったら2時位に待ち合わせでどう?」



「分かりました。じゃあ、2時に駅で待ってます」


約束をし、電話を切る。


はぁ。2時かぁ。

結構キツいな。

銀行行って、用事足して、帰ってシャワー浴びて。

うーん、寝る時間無いかも…。

本当は、帰ってゆっくり眠りたかった。


でも…お母さんも1人で、不安なんだ…そう思ったら、断る事は、出来なかった。


仕事も順調に進み、急患、急変もなくAM1時、仮眠時間になる。


仮眠時間と言え、直ぐには眠れる訳じゃないし、ただ横になっているだけのようなもの。

やっと、眠りに就いた頃、目覚まし時計がなる。


ピピピピピピッ、ピピピピピピッ。


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