【実話】ありがとう…。
私が言い終わらないうちに

「車に乗って」

そう言って車に乗り込んでしまった。



慌てて車に乗り込む。


「ここの道を真っ直ぐ行って、そこの電信柱左に曲がって、後は真っ直ぐです」


たかさんに道順を教えると、あっと言う間に家に着いた。



「ただいま~」

と言う望の声に母親が出て来る。


「お帰りなさい。たかさん!?今日は、態々すいません」

と言う母に対して―。



「いえ」

ニッコリ微笑み頭を下げる。


「たかさん、部屋こっちだから」

急いで2階へ連れて行く望。



階段を上がりながら

「どうした?」

と尋(たず)ねるたかさん。



「あっ、何か色々聞かれるの嫌だったし、たかさんだって迷惑でしょう?だから…」



「俺は気にしてないからさ!でも、望ちゃんは気にしてくれたんだよな。ありがとう」



2階の部屋へ着き、パソコンの電源を入れる。


~♪♪~♪♪~♪♪~

音が鳴り、画面が出てくる。



「どれどれ~」

パソコンの前に座り、弄り始める。



「何とかなりそうかな?」

心配そうに覗き込む望。



「これなら、俺でも何とかなりそうだよ!」

そう言いながら、カチャカチャとキーを操作し始める。


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