【実話】ありがとう…。
そうなってくれる事を、心底祈ったよ―‐。


「そろそろ戻らないと、マズくない?」



「仕方ねぇー、戻るか!」

この日は、本当に色んな話をして、1つ…絆が結ばれた気がした…。


病棟に戻ると、私達を見付けるや否や、看護師が近付き、怒鳴られる。


「一体、何処に行ってたんですか!!Dルームって言ったから、許可したのに!」

兎に角、物凄い剣幕で二人して顔を見合せ、

「「すいません」」

って謝ったね。


病室に戻ってから、

「あんなに怒らなくてもなー」



「ねー」

って、怒られる事したのを、棚に上げて笑ったね。


本当に久し振りに…二人で声をあげて笑ったね―。


楽しそうに笑ってるたかさんの姿見て、安心してた。


だから…油断してたのかもしれない…。


気を抜いちゃいけなかったのに…。


今思えば、あんなに元気だったのは…“中直り”だったんだね―‐。



もう命の灯は、最後の日に向かって燃え尽きようとしていたんだね―‐…。




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