【中編】糸[続編追加]
「茉李、大丈夫?」


教室にはいると、紗緒ちゃんが話しかけてきた。


「うん。ごめんね。」


「そうよ。私は茉李という生き甲斐がいなくて寂しかったわ。」


ちょっときつい一言だけど。


紗緒ちゃんの愛を感じる。


「紗緒ちゃん、転校生来たんだって?」


私は、思いだしたように聞いた。


「そうなのよ。あっ!今きたあいつよ。」


私は、転校生の方を見た。


私を首を傾げながらよく見た。


「あっ。茉李じゃん。やっぱ、同じクラスなんじゃん。」


転校生が笑顔で私に近づいてきた。


「達矢。なんで?」


達矢(たつや)は、私の幼なじみで中2の時転校したんだ。


「茉李の知り合い?」


「うん。幼なじみだよ。」


私がそういうと周りの女子が集まって騒ぎ出した。


私、ミスった?


だって、翠(みどり)ちゃん教えてくれなかったし。


翠ちゃんは、私の妹で達矢の彼女でもある。


あっ!


最近、翠ちゃんとお話してないかも。


私が自分のことでいっぱいいっぱいのせいかな?

なら、仕方ないっか。


私がぼーっとしてたら騒ぎが治まっていた。


たぶん、紗緒ちゃんのおかげかな。


私がトリップしてると呆れたように処理してくれるんだ。


達矢も私がこの状態だから、離れてるし。


女子は、たぶんチャンスを伺ってる感じだけど。
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