【中編】糸[続編追加]
どうにか切り抜けて放課後になった。


またもや紗緒ちゃんがいない。


ホントはいつもこうだったんじゃないかって思う。


決意が崩れそうだよ。


私に隠れてりっくんと密会か。


私は怖いもの見たさに屋上に向かおうとした。


なんで、傷つくとわかっててやめられないんだろう。


「茉李、今帰り?」


帰ってたと思ってた達矢だ。


「うん。そうだけど...紗緒ちゃん探してるの。」


「ふ〜ん。あのさ。俺、翠に会いに行くから、おまえんち行きたいんだけどさ....」


道を知らないのか。


だよね。


「じゃあ、一緒に帰る?ても。ちょっと、待ってて。紗緒ちゃんとこ行ってくる。」


私は駆け出した。


どうしても行かなきゃ行けないって思ったんだ。


そして。


また階段をのぼっていたら、聞こえた。


「陸、ヤバいよ。」


紗緒ちゃん?



「なにが?」


りっくん?


もう、無理。


私は、やっぱり弱くて駆け出した。



-ドンッ


誰かにぶつかった。
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