【中編】糸[続編追加]
行為が終わると、りっくんは、私を腕枕してくれた。


「なんかやっと茉李を手に入れたって感じする。」


「そうなの?」


なんとなくわかったけど聞き返した。


「茉李から告白してくれたから俺を好きなんだろうけどさ。やっぱ、言葉だけじゃきついんだよな。体をつなげてわかることもあるじゃん。って、ことで...」


やっぱり、言葉だけじゃ不安だよね。


体で示してくれなきゃ。


『って、ことで...』


って、なに?


私が首を傾げると、りっくんは、もう一度行為をはじめようとした。


「りっくん?」


私は、不安げに名前を呼んだ。


「今夜は寝かせないって言ったでしょ?それに、好きな人が裸で隣にいたらとまらねぇよ」


りっくんは、いたずらっ子のように言った。


私とりっくんの愛の行為は、朝方まで続いた。


私は、いつの間にか寝ていたようだ。
< 35 / 62 >

この作品をシェア

pagetop