【中編】糸[続編追加]
次の日。


紗緒ちゃんのおかげでなんとかできた。


私は、紗緒ちゃんにお礼を言おうとしたらいなかった。


鞄があるから帰ってないのはたしかだけど。


私は紗緒ちゃんを探した。


でも、この時黙って待ってたらよかったのかもしれない。


そしたら、変な勘違いしないで済んだのに。


私は、紗緒ちゃんの好きな屋上に向かった。


階段をのぼっていたら声が聞こえた。


「茉李が、なんか不安がってるよ。」


私?


紗緒ちゃんの声だ。


相手は?


「茉李が?紗緒、なんでだよ。」


紗緒?


「陸、あんたは....」


陸?


いつも私の前では、お前とかあんたしかいわないのに...


なんで?


やっぱりそうなのかな?


内容はよくわからないけどお互いを名前で呼んでいることにショックだった。


私は、頭の中が真っ白になって駆け出してしまった。


りっくんと紗緒ちゃんが気づいたかは知らない。


だけど、いてもたってもいられなかった。


不安が現実に変わってしまっただけ。


私は、やっぱりバカなんだ。
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