グラウンド【短】
・・・「明日さぁ、最後やね。」
「あ~・・・やな。大会終わって、部活も終わったら俺の唯一の取り柄が無くなるわ。」
「ははっ!確かに!」
否定せぇよ、と不満を言う早瀬にまた笑う。
じりじりと暑い帰り道に、あたしは願った。
この早瀬の隣が、この幸せが、いつまでも続きますようにと。
・・・たとえ、叶わない願いだと知ってても。
・・・「暑いなぁ」
「・・・うん。」
この暑い夏が終わる頃には、あたしのこの隣という居場所も、こんな会話も。
全部、無くなっちゃうのかなぁ。