FIVE STAR
「あの…助けてくれたんですか?よく覚えてないんですけど…」
「タメでいいから。なんか公園のブランコで倒れててさ、すごい熱あったから部屋に連れてきたわけ。でもまぁ、今の様子見てると熱は下がったかな」
部屋!そうだ!ここは男の…。
「あ!なんもしてねーから!大丈夫…だから」
必死に疑いをなくそうとする春樹。
「アハハッ」
あ…思わず笑っちゃった。
「な、何がおかしいんだよ!ホントに何もしてないから!」
「必死で言ってるとこが余計怪しいけど?」
「違うからな」
じっと確かめるように春樹は私の目を見つめて、キッチンに向かった。
「えと…ありがとう。助けてくれて」
「いいって!おかまいなく」
春樹はコンロの火を弱めた。
「何作ってるの?」
「おかゆ。美優の為に作ろうと思ってな」
「…ありがとう」
いい人だな。そう安心しきっていた時だった。