FIVE STAR
「…その特徴って?」
「んー。簡単に言うとバイト屋かなぁ」
うーんと春樹は唸った。
「だからよ。5人が同じ仕事をこなすってわけじゃない。みんなそれぞれ違う」
「一つのバイトに3ヶ月の期間がある。でバイトっていうのはどっかの従業員だったり、大工だったり、ホストだったりか?例えばホストを3ヶ月やれという指令が来る。そんで俺はその仕事を3ヶ月やる。期間が切れる2週間前、また違う指令がくる。それがさっき潤也からもらった封筒だ」
「…なんとなくわかってきた」
「それで1班の5人がそれぞれ働いた分の3割を島田に渡すんだ。んで指令をこなしたって事でランクが上がる」
「ランク?」
「まぁ…そのバイトの自給が多くなってくるってこと。ランクはSからCまで。島田にも俺たちにも利益が大きくなる」
「お金を渡すのは指令が来た翌日。でもなぁ…」
春樹は頭をぼさぼさと掻いた。
「一人たりねぇんだよ。俺たちの班がな」
「4人じゃダメなの?って、1班は5人のはずじゃ…」
「1人分の利益が減るんだよ。一人やめたんだよ。あるバイトが楽しくて仕方なかったんだとよ。それでそこの正社員に入っちまった。ある意味ここはハローワークだな。まったく」
ちょっと潤也がイライラし始めた。