FIVE STAR
「うおー、あったけぇ」
祐介が幸せそうな顔をする。犬みたい。
「コーヒーでも飲むか?」
「お、春樹、気がきくね」
春樹の顔が丁度夕焼け色に染まった。
…なんだろう。この気持ち。なんだか不思議。
私がその気持ちに気づくのはもう少しあと。その時はまだわからなかった。
「はい、コーヒー」
「サンキュ」
「ありがとう」
マグカップから湯気が立ちこむ。
ガチャ
「春樹ー、来たよ!」
蓮華のにぎやかな声が玄関から聞こえた。
「美優っ」
「わっ」
蓮華が私に飛びついてきた。
「お前、ホント美優お気に入りだな」
「かわいいの!私が男だったら絶対美優を彼女にしてる!!」
「はいはい、わかった」
祐介はぐたーとソファーに寄かった。