FIVE STAR

――

「ふわぁあ…」



私は用意もできて、マンションから出た。



ブゥンン!!



「!!」



その大きな音がする方向を見てみると、バイクに乗ったある学生がいた。



そのバイクはエンジン音を響かせながら、私のそばに来た。



「?」



「お前、今から?」



ん?聞き覚えがある声…。



その学生はヘルメットを脱いだ。



「…潤也?」



バイクに乗った学生は潤也だった。



「お前、朝霧だな。時間、大丈夫か?」



「へ?」



朝霧とは私が行く高校の名前。制服でわかったんだろう。私はスクールバックから携帯を取り出した。



「え!?ヤバっ!もう20分じゃん!!」



私の学校は8時30分から始まる。ここからバスで行くとしても20分はかかる。



「ど、どうしよ」



「…行く方向同じだから、乗ってくか?」



「え?」



「バスよりかは早く行ける」



潤也はヘルメットを再びかぶって、乗れというように左手で後ろの座席をたたいた。



「あ、ありがと」



私は後ろに乗って、潤也の腰に腕を巻きつけた。



「しっかり巻いとけよ」



そう潤也が言ったあと、バイクが動き出した。

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