FIVE STAR
服にメイクポーチに下着、学校用品…。
「よしっ」
私は大きな鞄に入れられるだけのものを入れた。
私の部屋はもともと殺風景な部屋。持っていく荷物はそんなに多くない。
もうちょっと節約とかしてたらよかった…。
なんとなく後悔してみたり。
でもやっぱり一番惜しいもの。
「やだよ…。ここから出たくない…」
5ヶ月。短い間だった。
でも、そんな短い間でも木下夫婦を自分の両親のように慕えることができた。
「…」
溢れそうな想いを噛み締め、扉のドアノブに手をかける。
「お世話になりました」
クルっと後ろに態勢を変えて、深く頭を下げた。