FIVE STAR
――
峰子さんは下まで送ってくれた。
「美優ちゃん…いいのよ?ホントに出ていかなくても…」
「いいの。私は自分の力でなんとかするから。今までありがと」
私はニッと峰子さんに笑顔を向けた。
これからどうしよう?そう考えるとなぜか涙が溢れそうになる。
「おい」
低い声だけが聞こえた。
後ろに歩きだしたときだった。
カンカン…
鉄製の階段から誰かが下りてくる。
私は戸惑いながらも後ろを振り返った。