FIVE STAR
過去の人
「花崎さん、これお願いします」
「はい」
私は片手にお盆を持って、しばらく進む。
「お持ちしました、海老と貝の海鮮パスタです」
今日はミノリヤのお仕事。いつものように仕事をこなしていた。
カランカラン
ふとドアに目をやると私にとっての嬉しいお客さんが。
私は思わず、その人の所へ駆け寄る。
「春樹…?」
「あれ!?美優?ここで働いてたの?」
「うん。あ、こちらの席へどうぞ」
「あ、どうも」
私が働き始めていた時はあまり男性客来なかったけど、今じゃもう男女問わずの大盛況。前、有名な雑誌にも取り上げられていた。
「前から来てた?」
「うん、結構常連なんだけどさ。すれ違いが多かったか?」
前々から来てたのにまったく顔を合わせていないという…。なんて悲しい。
ちょっと落ち込む。
「…ご注文は?」
「じゃあ、カルボナーラ」
「はい、かしこまりました!」