FIVE STAR

「中入っとけ」



「…?」



春樹?



「きゃ…!!」



ドンっと春樹に背中を押され、店内に入った。



チラとガラスの向こうを見てみると何か話してるようだった。



紀里の口が大きく開いたあと紀里は春樹に殴りかかった。



春樹はそれを手で止め、ヘラヘラと笑った。



春樹が何か一言言った後、紀里は逃げてしまった。



「…三角関係かな?」



「えー嘘ぉ。てか、あの人、すごくかっこよくない?」



近くの客がこそこそと話す。



カランカラン



「春樹…」



「もう帰ろうぜ。支度してこい」



いつもの笑顔をかます春樹。



「でもまだあるよ?」



「もういーから。さっさと帰るの!」



「…」



私は黙って、店の休憩室へと向かった。



…何話してたんだろ、あの二人。
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