FIVE STAR
「…うん。俺なんかを好きになってくれてありがとな。ちょっとびっくりしたけど…」
「うん…」
何も言葉が出ない。
「でも…ごめんな。美優の気持ちには答えられない。一応、付き合ってる人がいるからさ…。うん…。でも言ってくれてありがとう。嬉しかった」
笑ってるけど笑ってない。
きっぱりとは言わないんだね。
私を傷つけないように言ってくれてるような気がした。
「…美優?」
目から一筋の涙がこぼれた。
「ご、ごめんねっ…。うん…ありがとう」
精一杯の気持ち。
君に伝えたかった。
「…このこと、ずっと忘れねぇから」
「うん…」
「…前さ、美優の元彼、店来てただろ?」
「え?うん…」
いきなりの話題に少し驚いた。