【短編】少年A・少女A
『ガチャッ』
自分の部屋の扉を丁寧に優しく開けて、閉める。
無駄に広い部屋に入ると真っ先に向かった自分の机。
死ぬほど勉強していた机は傷がたくさんある。
机を優しく撫でてあげ、すぐに横の引き出しに手をかける。
『ガラッ』
勢いよく開けた引き出しには真っ黒なものが入っていた。
『ニヤリ…』
誰もいない部屋で少年が意味ありげに笑う。
優しく優しく黒いものを撫であげ、手でしっかり持ち上げた。
「綺麗だなぁ…」
呟く先には光輝く、『殺人道具』が少年の手にしっかりと握られていた。