【短編】少年A・少女A
『コンコン…』
「誰だ?」
ノックした扉の向こうから愛しくて愛しくてたまらない奴の声がする。
「父さん?こないだのテストの結果が帰ってきたんだけど…」
「……入れ。」
『ガチャッ』
ああ………。
待て。
待て。
まだだ。
まだだ。
まだだ………。
殺人衝動を押さえながら、少年は笑って扉を開けた。
「………で?テストは?」
少年は俯いていて喋らない。
ただただ手に以上に力が入る。
「……早く見せな…「ねぇ父さん?」
少年は俯いたまま、喋り出す。
「父さんは俺をなんだと思ってる?」
少年の手に以上に力が入る。
もしも…
もしも…
もしも父さんが…
父さんが俺のこと……
「そんなのわかっているだろう?お前はただの俺の機械だ。俺に得なことをするために作られたな。」