短編。
恋*いとしきみへ
ハローハロー。
いとしききみへ。
いとしいきみへ。
ぼくの声は、聴こえてますか。ぼくの想いは、届いてますか。
きみと離れてから、もう4年ですね。
すぐそばにいるはずなのに、なんでかすれ違いもしませんね。
隣にいたときは、きみに恋人ができても全然気になんてならなかったのに。
離れてしまえば、恋人なんていなくてもきみを探してしまっているのです。
あのね、夢をみるんだよ。
昨夜……今朝って言うのかな。
やっぱりきみの、夢を見たよ。
ぼくの首に、マフラーを巻こうとしてたね。
残念ながら目覚ましに邪魔をされてしまったけど、優しいぬくもりを覚えているんだ。
すき、なのかな。
ぼくはいまでも、きみのことが。
それとも。
ただ、きみに好きになってほしいのかな。
まだ中学生だったあの頃、きみへの想いに気付いたとき。
きみがあの子を好きだっていうのは、ぼくたちにとって公然の秘密で。
あの子がきみを好きだっていうのも、真実の噂だった。
欲しいとは、思わなかった。
欲しくなったのは、きみたちが別れてから。
愛し君へ。
ぼくは今日も、きみの夢をみています。
だからこの想いを、風に託すよ。