お嬢様☆執事
「はぁ…」
沙羅の心臓は破裂寸前。
「秋山さん、行くね。もう寝てていいから」
そう残して部屋を出た。
―――――――――――――――
「あ、ねえちゃん。ケーキ」
「ん。ありがと」
拓真は沙羅の分のケーキを持っていた。
「ねぇ、拓真ー」
「んー?」
「執事に恋しちゃ駄目かなあ」
「…は?」
「…ん!?」
私、今何言った!?
自分の発言した言動に驚く沙羅。
「…執事って…。聖夜さんは?」
「…知ってるんじゃないの?」
ちょっとふくれっ面をしながら言った。
聖夜との婚約破棄はみんな知っているのだ。
「…わり。執事ってさぁ」
「あぁ!もういいから!忘れて!」
私はなんてことを…。
つくづく思う沙羅であった。