お嬢様☆執事
祖父は生まれる前に死んだと母親から言われていたのだ。
「…ごめんね。お父さん側のおじいちゃんは死んでなかったの。でもそれはだましてないわ。私のお父さんは確かにそのとき死んだのよ。」
「…」
頭が混乱する。
次々とのしかかる真実。
衝撃が私をかけめぐる。
「てっきり両方とも死んじゃったと思ってた…」
確かにお父さん側のおじいちゃんは死んだとは聞いてない…。
これは私のミス。
「それでね、この豪邸にはおじいちゃんがいるわけだし、まだ庶民の暮らしをしようってことになったの。そして、ひとつ決めたの…。沙羅が16歳になったらこの豪邸に住もうってね」
母はウインクをした。