お嬢様☆執事
後ろから聞こえた声。
「…じゃあね」
有紗は立ち去った。
沙羅はゆっくりと後ろを振りむく。
「…せ…いや…?」
声が震える。
「沙羅…」
胸の鼓動が速くなる。
「久しぶりだね」
久しぶりに聞く愛しい声。
「聖夜っ…!」
沙羅の目には涙がたまっていた。
愛しい人の胸に包まれた。
「…沙羅?」
あなたのにおい。
あなたの温かさ。
何かが切れたかのように沙羅は泣きだした。
「…綺麗になったね」
ただ、二人は抱き合うだけ。
“恋人”としてではなく…。
「う…うっ…聖夜ぁあ…」