お嬢様☆執事
「こちらでよろしいのですか?」
「うん、ありがとう。また連絡する」
沙羅が行った場所とは、あの聖夜との秘密の場所。
あのときは3月くらいだったから、
そんなに花は咲いてなかった。
「…綺麗」
そこに広がる景色。
コスモスが色とりどり花を咲かせて咲き誇っている。
コスモス畑の中に埋もれている向日葵があった。
一人真黄色に花を咲かせ、太陽に体を向ける一つの向日葵。
…頑張ってるんだね。
周りは秋気分なのに、一人、夏が終わらせたくないかのように辛抱強くそこにいる。
「…私みたい」
何、強がってんの。
周りは前に進んでるのに私はここから動き出せない。
ずっと、誰かの助けを待ってる。