お嬢様☆執事
「…これって」
「ん?どうかした?」
これ、あのとき食べたサラダだ。
「この家にきて、最初に食べたやつ…」
「…あ、そうか。あのときは確か俺が作ったよ。ものすごいおいしいのを作ってやるって意気込んでたな」
創也が作ってたんだ。
あのときと味が変わらない。
「作るって言ってもたまにしか作らなかったんだけどね」
「そうなんだ…。すごく、おいしいよ」
なんだか、泣きそう。
悲しい涙じゃない。
今、とても幸せ。
大好きな人の横にいれて、ただ二人で過ごしている。
意味のない会話も全部愛しく思える。
「…今日、どっか行く?」
創也が尋ねる。
「うん、行く!」
子供みたいにはしゃぐ沙羅。
「よし、それ食べたら行こう」
「うん♪」