お嬢様☆執事
「ねぇ、ずっと執事やってたの?」
「…そうだなぁ。18歳でもうやってた気がする」
「18歳?」
執事の基準なんて知らないけど。
「親はいないの…?」
「…」
一瞬、創也の顔が曇った。
「あ、ごめん…。気にしないで」
何かあったのだろうか。
「…多分捨てられたんだ」
「え?」
「それが3・4歳くらいだったから、親の顔は知らない。俺は拾われたんだ。この白石財閥に」
初めて知る創也の過去。
「沙羅のおじいちゃんに拾われた。すごく優しいお方だったよ」
私のおじいちゃん…。
「お父さんみたいに慕ってきた。俺、よその子供だったのに、息子みたいに育てられたんだ」
「うれしかったよ。そのときはずっとここにいてやるって思ってた。ずっと、あの人のそばにいるって決めたんだ」