お嬢様☆執事
「待ってぇ!!」
「沙羅、早くおいで」
沙羅は老人の手を握った。
「おじいちゃんの手、あったかぁい」
「そうか、そうか」
顔は見えない。でも、その老人は笑っている、ということが分かる。
「沙羅は大きくなったら何になるんだ?」
この人はおじいちゃん?
「んーとねぇ…ケーキ屋さん!」
「じゃあ、大きくなったら食べさしてくれるか?」
「うん!一番に食べさしてあげる!」
突然、目の前に自分に差し出す手が現れた。
「沙羅、この人はね…」
…ら。
「沙羅っ!」
「!」
…夢?
「…ディナーの時間」
目の前にいるのは創也。
「そう…や?」
夢から現実に引き戻された。