お嬢様☆執事

ザー…



雨が創也を濡らす。



ねぇ…終わりなの?



もう私たちは終わりなの?



なんで何も言ってくれないの?



笑ってよ。



笑顔、見せてよ。



もう会えないかもしれないんだよ?



創也はそれでいいの?



創也はこんな終わり方でいいの?



ショックが大きすぎる。



涙も出ない。



ただ立ち尽くすだけ。



「秋山、元気にしろよ」



同僚たちが創也に声をかける。



「…また会えるといいわね」



「あぁ」



ガチャ…



車のドアを開ける。



創也は少し止まった。



「創也…」



もう一度、あなたの名前を呼ばせて。



もう一度、笑って…。
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