お嬢様☆執事

手が震える。



胸が高ぶる。



「ふぅ…」



呼吸を整えて、便箋を読み始める。


―――――――――――――――
沙羅へ


いきなり手紙書いてごめんな。

これから、俺の気持ち全部書きま

す。最後まで読んでくれたら嬉し

いな。

じゃあ、まず。俺は沙羅が好きだ。

もう、これを読んでいるときは俺

はいないだろうね。

沙羅、俺に言ったよな?

さっさと出てけって。

正直、傷ついたなぁ。俺、何も言

えなかった。カッコ悪い。

沙羅にそう言われるのは当たり前

かもなぁ。

勝手に最後は執事として仕えたい

とか言って…。

ごめんな。さみしい思いをさせて…。

もう時間がない。

もう一緒にいれない。

そんな時に何言ってんだろうな。

俺、情けない。

ごめん。自分の感情、抑えこんでた。

感情、出したらどうしようもできな

くなる。沙羅を離したくなくなる。

そんな制御もできない。

俺、沙羅を安心させてあげれてた?

俺といて、幸せだった?

沙羅の気持ちを知るのが怖かった。

それって、沙羅を信じてないってこ

とになるか?

でも、俺は沙羅といて幸せだった。

沙羅を愛していた。








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