お嬢様☆執事

いつから好きだったと思う?

出会ったその日からだ。

好きになっちゃいけない。

そんなこと、初めから分かってた。

でも気持ちが抑えきれなかった。

沙羅が愛しくて愛しくて仕方がな

かったんだ。

そして、婚約者が出来たとき。

俺、ショックだったな。

何気にすねてた。ガキみたいに。

気づいてた?気づくわけないか。

俺なんて眼中になかったもんな。

クリスマスパーティーのときの

腕時計大切にしてます。

大切にし過ぎてつけてません。

せっかく、くれたのに。

腕時計、嬉しかった。

…あの時、突然キスしてごめんな。

何も考えてなかった。

もう自然に…。めちゃくちゃ恥ず

かしかったな、今思うと。

それから婚約破棄になった。

…ごめん。喜んでました。

大切な人の執事なのにな。

あぁ…もうすぐだ。

ここから出たくないな。

…勝手だな。俺、意外と嫌な男。

沙羅、沙羅と過ごした日々、本当

に幸せでした。

俺は沙羅に嫌いって言われても好

きだから。ずっと。

約束、覚えてる?

いつか必ず、会いに行く。

迎えに行く。約束、だから。

嫌って言っても遅いからね。

雨、嫌だな…。どうせなら、綺麗

な秋空の下でお別れしたかったな。




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