お嬢様☆執事
「沙羅は僕のものだ。君は近いうちに僕の妻になる。」
「意味、分かんない…」
恐怖のあまり沙羅の体は小刻みに震える。
「君は僕の“婚約者”だ。一ノ瀬グループと白石財閥がタッグを組めば世界進出。とはいっても君の家はもう世界に行っちゃってるけどね」
「何?私があんたの婚約者?」
沙羅は聖夜を軽く払いのける。
「勝手に決めないで。私は普通に恋愛して…」
「恋愛?馬鹿なことを言わないでくれ。僕たちのこの世界は庶民とはちがう。僕らの未来は決まってる。この世界はこんなものだ。」
「政略結婚とでも言いたいわけ?」
沙羅も食いついていく。
「…僕は君の全部を知ってるよ。数日前までは普通の庶民だった。そしていきなりお嬢様…」
「なんでそのこと…」
沙羅は驚きを隠せない。