お嬢様☆執事
今、私は揺れてるの?
聖夜と秋山さん。
…聖夜のあの悲しい顔。
でも私を振り向かせるための演技かもしれない。
ネックレス…嬉しかった。
沙羅はネックレスを揺らしながら考えていた。
「沙羅様、お送りにならないのですか?」
「秋山さん…」
今、そんな気分ではなかった。
「…聖夜様は沙羅様の婚約者なのですか?」
「え?」
初めて秋山さんからの質問。
「…うん、そうだよ」
なんだか腑に落ちない。
「もうすぐディナーでございますので…」
なんだか秋山さんの声までもさみしそうに聞こえる。
「わかった…」
沙羅は遠い夜景を見ていた。