お嬢様☆執事

秋山さんが傘をさしてくれたみたい。



たった一つの傘で自分が濡れることも気にせず。



「…っ」



沙羅は何も考えず、秋山さんに抱きついた。



その拍子に秋山さんは傘を落としてしまった。



「沙羅様…」



「うあーん…!!」



秋山さんは優しく抱きしめてくれた。



その優しさなのか、枯れたはずの涙がまたほほをつたい落ちる。



秋山さん、あったかい…。



その温かさは居心地がよかった。










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