お嬢様☆執事

…ドクン



私はずるい女かな。



聖夜には有紗さんがいる。



それにもう正式に婚約もしてるんだ。



私が入る隙間なんてないよね。



「沙羅様、笑ってください」



「…え?」



「沙羅様が笑ってくださると私まで笑顔になります。それも私だけではありません。他の方の執事、メイドもみんなです」



秋山さんの意外な発言に驚く沙羅。



「…ありがとう」



秋山さんは笑った。



「帰りましょう」



秋山さんは沙羅に手を差し伸べた。



「はい…」



沙羅はその手を握った。
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