お嬢様☆執事
別れ
あれから2ヶ月程経ち、もう3月。
今は春休みだ。
「沙羅様、お電話でございます」
「ん?」
朝食を食べているときだった。
沙羅はメイドさんから受話器を受け取り、耳をあてがう。
「もしもし、変わりましたけど」
「沙羅か?」
「え?」
久しぶりに聞く、あの人の声。
「聖夜…?」
「久しぶりだね。今から時間あいてる?」
…なんだろう。
「うん。あいてるよ」
鼓動がおかしくなる。
声を聞くだけで好きが溢れていく。
「じゃあ、これから沙羅を迎えに行くよ」
「…うん」
「じゃ…ツーツー…」
「…」
私、まだ好きだなぁ…。