お嬢様☆執事
「沙羅、着いたよ」
「…」
車から出て沙羅は驚いた。
「すごいね…」
そこには緑が広がり、春を感じさせる小さなたんぽぽ。
そして、街並みを一望できるこの高さ。
青く澄んだ空…。
沙羅は感動した。
こんなところがあるなんて。
「気持ちいいだろ?」
大きく伸びをする聖夜。
「うん…」
「僕のお気に入りの場所なんだ。沙羅以外連れてきたことはないよ」
…そんな優しいこと言わないで。
「あそこに座ろう」
聖夜が指さしたのはひとつのベンチ。
「うん」
沙羅は聖夜についていった。