お嬢様☆執事

「有紗のこと、嫌いにならないであげて」



「え…?」



ちょっとだけショックだった。



「有紗、本当は誰よりも優しい子なんだ。見た目はあんなだけどすごい弱い子なんだ」



「…うん」



「僕は小さい頃から有紗といた。有紗は、いつも泣いてた。あの子を傷つけたとか言って飛びついてくる。昔からほっとけなくて。有紗は僕がいてあげないとダメなんだ。有紗の
落ち着く場所がなくなる」



聖夜は優しいね。



「でも、有紗が14歳のとき、イギリスに行ったんだ。しかも自分の意思で。…僕を解放してあげたかったんだって。でも僕は有紗のそばにいることは当たり前だった。そして、気付いた。有紗が好きだって」



「…」



有紗さん…。



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