お嬢様☆執事
「僕はずるいね。沙羅も有紗も…。決められない。でも…」
「有紗さんと生きていくんでしょう?」
沙羅の声は震えていた。
「…あぁ。沙羅に言わないといけないことがある」
「…」
「有紗とイギリスに行くんだ」
「!?」
うそでしょ…。
「…今日出発なんだ」
今日…!?
「…早く空港行かないと…!!」
沙羅は立ち上がった。
「待って」
聖夜は沙羅の腕を掴んだ。
…聖夜と会えなくなっちゃうの?
…もう声を聞くことはできないの?
「最後に僕のワガママ聞いてくれる?」
「…何?」
神様、もう少しだけ夢を見さして下さい。
もう少しだけ聖夜と一緒にいたいの…。