お嬢様☆執事
神様、今だけ許して下さい…。
車に乗り、空港に向かう中、二人は寄り添っていた。
「沙羅、元気にね」
「聖夜も…。有紗さんにも言っておいて?元気でねって」
「うん、分かったよ」
着々と空港に近づいていく。
聖夜…幸せになってね。
青く澄んだ空に沙羅は願った。
「川原、ちゃんと沙羅を家まで送ってあげてね」
「かしこまりました」
いよいよ、お別れのとき。
「待って、途中まで行く」
車から出ようとする聖夜を呼び止めた。
「うん、じゃあ来て」
沙羅も車を出て聖夜の横に走る。
「もう有紗さんは来てるの?」
「来てると思う」
さすがに有紗さんのところまでは行きにくい。
「じゃあ、ここまで」
入口の手前で沙羅は止まった。