お嬢様☆執事
続く足跡
聖夜と有紗がイギリスに旅立って5ヶ月のこと。
あっという間に時は過ぎ、季節は夏本番の8月。
「ん…」
夏の蒸し暑さに目を覚ました沙羅。
「あー…暑苦しー」
でも去年よりかはいいほうか。
庶民からお金持ちになって、もう半年以上経ってるんだよね…。
あの家よりは断然涼しい。
眠い目をこすり、ふとテーブルを見ると何か置いてある。
「…何」
ベットから降りてテーブルに向かう。
「手紙…?」
英語だろうか、びっしり読めない文字が書いてある。
送り主を見てみると…
“Seiya Itinose”
「せいや…いちのせ?」
「聖夜!?うそ…」
急いで封を切ろうとするが…
「もうっ!手じゃあけらんない!」
沙羅は高ぶる胸を抑え、はさみを探す。