X'masのキス


「…おい、野田」



と私を呼ぶ低い声が聞こえた。


振り返ってみると私と同じクラスの藍澤 礼斗(アイザワ レイト)がいた。

この人は、私が最近気になってる男子でもあるんだ。



いつも無口な藍澤が話掛けてくるなんてめずらしっ。

あたしなんかしたっけ?


そう思ってると、


「…片付け。」


と小さい声で藍澤がつぶやいた。



「…あーっ!忘れてたっ」

そうだ、私片付けやらなきゃいけなかったんだ。


「花菜ごめん!私片付け当番だったの忘れてた。だから先に行ってて?」


「そうなんだ。頑張ってね!…藍澤と一緒でしょ?チャンスかもよー♪」


花菜は私が藍澤を気になってること知っている。


だからいつも応援してくれるんだ。



「…うん、がんばる。」



そう言って私は藍澤のあとをついていった。
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