X'masのキス


「うっ…ひっく、だって…」


藍澤の温もりを感じて私はさらに泣き出してしまった。


「怖いの?」


そんな藍澤の低い声が耳元から聞こえる。



「…っ怖いけど、それだけじゃない」


「じゃあなんだよ?」


「私悪い事した?」


「…は?」


そう聞くと不機嫌な返事がかえってきた。


「だって、ちゃんと顔見てくれないし私に冷たい態度とってるじゃんっ…」


私はそう言って藍澤の手を払いのけようとした。


その瞬間


「…きゃっ」


急に腕を掴まれ、藍澤と向き合う体制にされた。


私はびっくりして逃げようとするとさっきより強い力で腕を掴まれた。



「いたっ…、何すんのよ!」


「おとなしく話聞け。」


いつも以上に低い声に私は動く事ができなくなった。


「俺さ、話すの苦手なんだ。だからうまく言えねーけど、お前見てると調子狂うんだよね。その…さっきだってお前がぶつかってきたときとかさ…、顔あげたお前が、えっと、その、かわいくて…」



へっ?


「顔赤いの見られんのがやだから冷たい態度とった。ごめんな?」
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