短編《Who don't yet look to you?》
あたし以上にがっくりと肩を落とすピエロ。
なんだかその姿が可愛く見えて、あたしは笑ってしまった。
「気にしないでください。そりゃ、風船割れちゃったのは残念だったけど、そのかわり素敵な魔法、間近で見られたから。嬉しかったですよ?」
不思議そうに首を傾げるピエロにそう声を掛け、じゃあ、と背を向けた時後ろから「待って!」と呼び止められた。
振り向くと、ピエロがあたしに向かって叫んでいる。
「それじゃ、俺の気が済まない! 10分、いや5分待ってて!」
言うが早いか、ピエロは戸惑うあたしを残し、どこかへ走り出してしまった。
……言われた通りしばらく待っていると、人波の向こうから息を切らしこちらに近付いて来るピエロが見えた。
「ごめん……! 待たせた」
肩で息をして額には汗が滲んでいて白塗りされたメイクが落ち掛けていた。
「いえ……あの?」
どうしたんですか、と言葉を続けようとした時、目の前に小さなフラワーブーケを差し出された。
なんだかその姿が可愛く見えて、あたしは笑ってしまった。
「気にしないでください。そりゃ、風船割れちゃったのは残念だったけど、そのかわり素敵な魔法、間近で見られたから。嬉しかったですよ?」
不思議そうに首を傾げるピエロにそう声を掛け、じゃあ、と背を向けた時後ろから「待って!」と呼び止められた。
振り向くと、ピエロがあたしに向かって叫んでいる。
「それじゃ、俺の気が済まない! 10分、いや5分待ってて!」
言うが早いか、ピエロは戸惑うあたしを残し、どこかへ走り出してしまった。
……言われた通りしばらく待っていると、人波の向こうから息を切らしこちらに近付いて来るピエロが見えた。
「ごめん……! 待たせた」
肩で息をして額には汗が滲んでいて白塗りされたメイクが落ち掛けていた。
「いえ……あの?」
どうしたんですか、と言葉を続けようとした時、目の前に小さなフラワーブーケを差し出された。