ロ包 ロ孝 3
「鎮まれっ!」
きぃぃぃぃぃぃぃん
喜政の声は一同の鼓膜を破らんばかりに響き渡った。
「……………」
「……済まなんだな。しかと聞こえるか?」
一同の耳鳴りが収まるのを待つように暫しの間口を開かなかった喜政は、様子を窺いつつ話し始めた。
「過ぎた事をとやかく言うても始まらん。しかしむざむざあやつ等の手に依って屠(ホフ)られる訳にもいかんだろう」
今度ばかりは一同も黙りこくって主の話しに耳を傾けている。
「我等は刀も苦無も棄て、この身この喉ひとつで忍び勤めを為す事がかなうのじゃ。里のどんな手練れも我等の敵ではない」
「そうだ!」「黙って聞け! 宗助!」
梅が若衆頭の宗助を叱り付ける。
「す、済まぬ。梅」
「頭領様にだろう、このたわけめ!」
「まぁよい。しかし我等とてみながみな蠢声操躯法を修めている訳ではない。里を全て敵に回してしまうのは些か賢くない道じゃろう」
喜政は玉座から立ち上がり、蝋燭にほの暗く照らされた家臣達の顔を見渡した。
きぃぃぃぃぃぃぃん
喜政の声は一同の鼓膜を破らんばかりに響き渡った。
「……………」
「……済まなんだな。しかと聞こえるか?」
一同の耳鳴りが収まるのを待つように暫しの間口を開かなかった喜政は、様子を窺いつつ話し始めた。
「過ぎた事をとやかく言うても始まらん。しかしむざむざあやつ等の手に依って屠(ホフ)られる訳にもいかんだろう」
今度ばかりは一同も黙りこくって主の話しに耳を傾けている。
「我等は刀も苦無も棄て、この身この喉ひとつで忍び勤めを為す事がかなうのじゃ。里のどんな手練れも我等の敵ではない」
「そうだ!」「黙って聞け! 宗助!」
梅が若衆頭の宗助を叱り付ける。
「す、済まぬ。梅」
「頭領様にだろう、このたわけめ!」
「まぁよい。しかし我等とてみながみな蠢声操躯法を修めている訳ではない。里を全て敵に回してしまうのは些か賢くない道じゃろう」
喜政は玉座から立ち上がり、蝋燭にほの暗く照らされた家臣達の顔を見渡した。