ジュリエット&二人のロミオ【短編】
「藤堂さん☆」
移動教室に向う私を捕まえて、渋谷君は不敵な笑みを浮かべていた。
そのまま、人気の無い渡り廊下へと連れていかれる。
とてつもない恐怖を感じて、逃げ腰になる。
「何ですか!?告げ口したの、私じゃないですから」
「知ってるよ。告げ口したのは、早瀬だから」
「えっ!!だって、早瀬さんは…」
「あれは、別れの儀式。別れるなら、一度抱いてほしいってお願いされちゃってね」
「そ、そんなことで抱くんですか!?」
「女の涙には、弱いんでね。それより……」