ジュリエット&二人のロミオ【短編】
「今日、当番だったの?」
「片岡先輩」
図書委員会の委員長をしている片岡先輩が、立っていた。
「本当は、当番じゃないんですけど、日課になっちゃってて…」
「紗織ちゃんは、本当に本が好きなんだよね」
眩しい!
先輩の笑顔。いつ見てもステキだなぁ。
誰にでも優しい片岡先輩。
私の憧れの人。
「あれ?あそこに寝てるのって……」
「同じクラスの中村君です。気持ち良さそうに眠ってるから、そっとしておこうと思って」
「中村君……かぁ」
あれ!?
気のせいかな?
先輩の顔が少し強張った気がする。
「先輩?」