ジュリエット&二人のロミオ【短編】
☆ヒロイン!?
「ふわぁぁぁ~」
――眠い。
昨日、徹夜で乱歩を読んでしまった……。
だって、犯人が分かるまで眠れなかったんだもん!
「凄いあくび…」
校門で麻衣子がケラケラ笑いながら、私を指差して笑った。
「おはよ」
「紗織!呑気にあくびしてる場合じゃないわよ!」
「何?」
「いいから、こっち!」
麻衣子に手を引かれて、掲示板に向う。
そこには、早朝にもかかわらず、人だかりができていた。
一体、何をみんな見ているのだろう?
人だかりを掻き分けながら、掲示板の前まで行く。
「これっ!」
麻衣子の指差した先に目をやった。
――これって……