ジュリエット&二人のロミオ【短編】
シェイクスピアは、どんな想いでこの作品を書き残したのだろうか。
ロミオとジュリエットのように、互いを愛し抜く恋をしてみたいものだ……。
ガタッ!!
今日は、どうやら一人きりで読書を楽しめないようだ。
物音のする方へ近いてみる。
「中村君?」
図書館の隅に立て掛けてある小さな脚立に、腰をかけて本を読んでいた。
彼は、中村隼人。同じクラスの男子。
容姿端麗、頭脳明晰と申し分ない素養を兼ね備えた人。
女子生徒からも人気が高いのだが、無口なため笑ったところを見たことがない。