ジュリエット&二人のロミオ【短編】
だって、上は衣裳だけど……下は、ジャージなんだもん!
しかも、半ズボン!
「まだ、下は出来てないんだとよ」
「そうなんだ。でも、上だけでも似合うよ……くくっ」
「笑うなよ」
子どもみたく頬を膨らませて怒る渋谷君が、ちょっと可愛いかった。
「ごめん。」
床に座り込んだ渋谷君の目の前で、手を合わせる。
すると、いつもの調子で
「じゃあ、ほっぺにキスして」
って、私をからかうんだよね。
「はいはい」
もう、慣れたから平気だけどね。
「渋谷君……この傷……」